はじめに
犬との散歩中、ときどき見かける「ノーリード散歩」。
犬が自由に歩く姿は一見のびのびして見えますが、実はとても危険な行為なんですよね。
特にシニア世代の飼い主さんの中には、
「うちの子はおとなしいから大丈夫」
「昔からリードなしで散歩してるけど、トラブルなんて一度もない」
という方も少なくありません。
しかし今は、昔とは環境が大きく変わっています。
この記事では、ノーリード散歩がもたらす危険と、リードの本当の意味についてお伝えします。
ノーリードが「危ない」と言われる理由

犬の命を守れない
どんなにおとなしい犬であっても、予期せぬ行動をとることがあります。
突然の音、走ってくる自転車、見知らぬ犬などに反応し、思わず飛び出してしまうことも。
車道に出てしまったら、一瞬で取り返しのつかない事故に…なんて恐ろしい事態も。
これまで一度もそんなことはなかったとしても、この先も絶対にないとは言い切れません。
「うちの子は大丈夫」という思い込みほど、危険なことはないので
他の犬・人とのトラブル
外を歩く人のなかには、犬が苦手な人やアレルギーのある子どももいます。
また高齢者や障がいのある方もいます。
犬がそのような人々にノーリードで近づくことで、相手が驚いて転倒したり、思わぬケガをさせてしまうかもしれません。
また、犬同士の相性が悪い場合、突然のケンカに発展する可能性もあります。
たとえ攻撃のつもりがなくても、リードをしていない時点で「責任を問われる立場」になってしまいます。
周囲の人や犬に迷惑をかけないためにも、いつも「最悪の事態」を想定して行動することが大事ではないでしょうか。
飼い主自身の責任問題にも
万が一、犬が人や犬を傷つけてしまった場合、「ノーリードだった」というだけで飼い主の過失が問われます。
自治体によっては、条例で「ノーリードでの散歩」を禁止しているところもあります。
違反すれば、当然ながら罰則を受けることになります。
「かわいい愛犬を自由に歩かせたい」という気持ちが、
かえって犬の命や飼い主の立場を危うくしてしまうことだってあるのです。
車で走行中に見たヒヤリ体験

ある日、国道を車で走っているときのこと。
歩道を1匹のワンちゃんと高齢男性が散歩しているのを見かけました。
信号待ちでふと目をやると、なんと「ノーリード」の状態。
その道路は国道で車の往来も多く、スピードも出ています。
歩道も決して広くはありません。
大きなクラクション音に驚いて車道へ飛び出したり、
パニックになって逃げ出したりしないだろうか…。
しかも小型犬だったので、左折時の車に巻き込まれないかと心配になりました。
もしも突発的な出来事が起きたとしても、高齢の飼い主さんでは対応が難しいはずです。
場合によっては、飼い主自身が危険な目に遭うことも考えられます。
その飼い主さんにとっては「いつもの楽しい散歩」なのかもしれません。
けれど、その「いつも通り」がいつまでも続く保証はない——そう感じた出来事でした。
「昔は大丈夫だった」が通用しない今
ひと昔前は、のどかな道や空き地も多く、ノーリードでも特に問題が起きにくい環境であったかもしれません。
田んぼのあぜ道で、リードなしで自由に散歩している…そんな光景も珍しくなかった時代もありました。
しかし現在では、
- 車や自転車の往来が多い
- 公園でも犬連れルールが厳しく制定されている
- SNSなどで「マナー違反」として拡散されやすい
つまり、「昔と同じ感覚で散歩していたら、知らないうちにトラブルの加害者になってしまう」のです。
「時代が変わった」という現実を受け入れ、今の社会に合ったマナーを意識することが大切です。
リードは“命綱”であり“信頼の絆”

リードは、単なる「つなぐ道具」ではありません。
犬と飼い主を結ぶ大切な信頼の糸です。
犬が安心して歩けるのは、飼い主とつながっているからこそ。
リードをつけて散歩することは、犬を「縛る」ことではなく「守る」こと。
そう考えれば、「ノーリード」での散歩は、大事な家族をあえて危険にさらす行為とも言えますね。
まとめ
リードでつながれて散歩するのは、自由を奪うことではありません。
むしろ、犬の命を守り、飼い主と愛犬を結ぶ「信頼の絆」です。
外の世界は、私たち人間にも犬にも予測できないことが起こります。
だからこそ、飼い主の手の中で「安心して歩ける」環境をつくってあげたいですね。
今日の散歩も、リードをつけて、安全で楽しい時間にしていきましょう
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