はじめに
秋は涼しくなり、犬との散歩が快適に楽しめるシーズン。紅葉した木々を眺めながら歩くことで、日頃の運動不足も楽しく解消できますし、飼い主の健康維持にもつながります。
しかし秋は、犬にとって危険な植物や木の実が道端に落ちている季節でもあります。何気なく口にしてしまうと、嘔吐や下痢、最悪の場合は命にかかわることも。特に小型犬やシニア犬は注意が必要です。
この記事では、秋に散歩中によく見かける危険な植物や木の実、その症状と対処法、日常でできる予防策をまとめました。
秋に犬が口にすると危険な植物・木の実
どんぐり

公園や街路樹の下に落ちているどんぐりは、見た目はかわいらしいですが犬にとって危険です。
どんぐりには タンニン(ポリフェノールの一種) が含まれており、摂取すると嘔吐・下痢・食欲不振を引き起こすことがあります。大量に食べると腎障害を起こすこともあるため注意が必要です。
銀杏(ぎんなん)

銀杏並木の下に落ちている銀杏は、人間にはおいしい秋の味覚ですが、犬にとっては中毒のリスクがあります。
原因は メチルピリドキシン という成分で、嘔吐・下痢・ふらつき・けいれんを引き起こすことがあります。特に小型犬は注意してください。
栗

秋の味覚である栗は、外のトゲトゲのイガが足や口に刺さる危険があり、実も大きいため喉に詰まりやすいです。消化にも負担がかかるため、嘔吐や下痢の原因となることがあります。
トチノキの実

山道や公園で見かけることのあるトチノキの実。見た目は栗に似ているのですが、犬にとってはさらに危険な実です。
グリコシドとサポニンという有毒成分を含んでおり、嘔吐・下痢・ふらつきなどの症状を引き起こすことがあります。
ヒガンバナ

秋のお彼岸に咲く赤い花で、美しいですが全草に リコリン という毒を含んでいます。特に球根の毒性が強く、かじるとよだれ、嘔吐、下痢、重症の場合はけいれんを起こすこともあります。
キノコ類
秋は美味しいキノコの季節です。しかし犬が散歩中に、落ち葉の間から出ているキノコをかじってしまうケースも少なくありません。
野生のキノコは種類を見分けるのは難しく、中には強い毒を持つものもあります。「キノコはすべて危険」と考えて犬を近づけないことが鉄則です。
犬が誤って食べてしまったときの症状

危険な植物や木の実を食べた場合、以下の症状が出ることがあります。
- よだれが増える
- 嘔吐・下痢
- 食欲不振
- ぐったりして元気がない
- ふらつき、けいれん
症状が軽くても自己判断せず、すぐに動物病院へ相談しましょう。その際、食べてしまった植物や実をスマホで撮影しておくと診療に役立ちます。
飼い主ができる予防策
散歩中の工夫
常に愛犬から目を離さないことが大切です。
- リードは短めに持ち、拾い食いしないようコントロールする
- 公園や街路樹の下など、木の実が多く落ちている場所は避ける
- 落ち葉や草むらに顔を突っ込まないよう注意する
家庭でのしつけ
「ちょうだい」「離して」といったコマンドを日常から練習しておくと、万一口に入れてしまってもすぐに出させられます。
体験談:公園で謎のキノコを口にいれてしまった!

我が家の愛犬はボール遊びが大好きで、近くの公園ではよく落ちているボールを咥えて遊んでいます。
ある日、白い大きなものを口に入れてしまい「ちょうだい」と言っても渡しません。
よく見るとキノコで、スマホで調べたところ「おにふすべ」という種類でした。幸い毒性はなく落ち着いて対処できましたが、それ以来、馴染みの公園でも注意を怠らず、常に様子を見るようにしています。
まとめ
秋は散歩にぴったりの季節ですが、犬にとって危険な植物や木の実も増えます。
特にどんぐり・銀杏・栗・トチノキ・ヒガンバナ・キノコには注意が必要です。
誤食を防ぐには、散歩中のリードコントロール・拾い食い防止のしつけ・危険な場所を避ける工夫が大切です。万が一口にしてしまったときは、早めに動物病院に相談することが愛犬の命を守る近道です。
愛犬との秋の散歩を安全に楽しむために、今日から予防策を意識してみましょう。
コメント