はじめに

日本は地震や台風、豪雨などの自然災害が多い国です。
「まさか、うちの地域では…」と思っていても、いつ・どこで災害が起きるか誰にもわかりません。
もし夜中に地震が起き、停電した暗闇の中で愛犬が大きな揺れや音に驚いて逃げ出してしまったら——。
考えただけでも恐ろしいことです。
実際、災害のたびに「うちの子がいなくなった」という報告は少なくありません。家の安全を確保するのと同じくらい、「愛犬を迷子にしない備え」も大切です。
今回は、首輪・迷子札・マイクロチップを使った迷子対策についてまとめました。
いざという時に後悔しないよう、できることから準備していきましょう。
犬が迷子になりやすいのはどんなとき?

災害時は、人も犬も極度のストレス状態に陥るものです。
普段は穏やかな犬でも、突然の地震の揺れや物音に驚き、思わず外へ飛び出してしまうだって十分考えられることです。
また避難中にリードが外れたり、混雑した避難所でゲートの隙間から抜け出す…そんなケースも。
知らない場所や人の多い環境では、犬の不安が一気に高まり、迷子になるリスクがぐっと高くなってしまうのです。
首輪とリードで脱走を防ぐ

まず基本はなんと言っても「しっかりフィットする首輪やハーネス」を身につけることです。
ゆるすぎる首輪は、犬が後ずさりした瞬間スポッと抜けてしまうことがあるので要注意。
首輪は指が1~2本入るくらいのきつさが理想です。
特に小型犬や活発な子には、体全体を支えられるハーネスの方が良いという場合も。
また、避難の際は首輪とハーネスのダブルリードで備えるのもおすすめ。特に中~大型犬はこうしておくとより安心です。
実際にこれで脱走を防げたという声もきかれます。
迷子札で飼い主の情報を伝える
もし愛犬が保護されたとしても、飼い主がわからなければ帰ってくることができません。
その時に役立つのが「迷子札」。
首輪やハーネスに常につけておきましょう。迷子札には、以下のような情報を記載しておきましょう。
- 犬の名前
- 飼い主の名前
- 携帯電話番号
- 必要に応じて避難先
最近では、QRコードタイプの迷子札も増えています。ただし、長く使うなら刻印タイプの金属製が安心です。千円前後で購入できるので、日常使いにもぴったりです。
マイクロチップで確実な身元保証を

マイクロチップは、犬の体内に埋め込む米粒ほどの小さなICチップ。
専用のリーダーで番号を読み取り、登録情報から飼い主を特定することができます。
災害時に保護された犬の多くは、このマイクロチップが決め手となって飼い主のもとへ戻っています。
2022年(令和4年)6月からは、販売される犬・猫への装着が義務化されました。
すでに装着している場合も、住所や電話番号が最新かどうかを確認しておきましょう。引っ越しや番号変更があると、登録情報が古いままになってしまうことがあります。
写真や情報の共有も忘れずに
迷子札やマイクロチップのほかに、愛犬の写真をスマホに保存しておくことも重要です。
顔のアップだけでなく、体の模様や特徴がわかるよう全身写真をいくつか用意しておくと、保護時の確認がスムーズになります。
また、家族で「迷子になったらどう動くか」を話し合っておくのも大切なこと。
誰がどこへ連絡するのか、避難時に誰が犬を抱えるかなど、事前に決めておくだけで慌てずに行動できます。
避難時に気をつけたいこと
避難のときは、犬を落ち着かせてキャリーやリードで安全に移動します。
騒がしい環境では、抱っこしたり、優しく声をかけたりして愛犬を安心させてあげましょう。
いざという時にも落ち着いて行動できるよう、普段からキャリーやリードに慣らしておくといいですね。
今日からできる迷子対策チェックリスト

☑ 首輪やハーネスのサイズを定期的にチェック
☑ 迷子札をつけ、連絡先を最新にしておく
☑ マイクロチップの登録情報を確認
☑ 愛犬の写真をスマホに保存
☑ 家族で迷子時の対応を話し合う
まとめ
災害時の迷子対策は、「うちの子は大丈夫」と思っている人ほど後回しにしがちです。
けれどいざという時に備えることこそ、飼い主の大切な責任ではないでしょうか。
首輪・迷子札・マイクロチップの3つを揃えることで、愛犬が無事に戻ってくる可能性はぐっと高まります。
今日から少しずつ準備を始めて、どんなときでも「うちの子を守れる自分」でいたいものですね。
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